経営者は数字で語れ!成果を数値で補足するKPIとKGIで目標達成すべし
経営者は数値で語れてはじめて本物・・・。
私がある経営コンサルタントの先輩から教えて貰った言葉です。
KKDと言われる、感、経験、度胸では昭和の時代はまだしも21世紀には通用しないのだ。
私はコレまで経営者向け研修で150社以上の企業経営者と経営戦略構築を行ってきましたが、これからお話しするKPIとKGIを意識して経営をされている経営者はごくごく少数でした。
勿論、KPIとKGIを意識して経営をされている経営者の会社の業績は良かった事は言うまでもありません。
では、早速、KPIとKGIの設定についてシェアしていきます。
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戦略マップをストーリーに
前回作成した戦略マップはとてもとても重要です。この戦略マップはまさに道標です。何の為に何をするのかが明確になっています。
しかし、未だ未だ具体的にはなっていません。そこで、戦略マップを元により具体的なストーリーを作っていきます。
戦略マップからストーリーに落とし込んでいくモノは、業務プロセスの視点と学習と成長の視点にプロットしている重要成功要因です。
上記戦略マップを言葉にするとこんな感じです。
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”boss-star.jpg” name=”アナログ社長さん”]IT基盤と人材育成の体制を整備し、マーケティングが出来る仕組みを作る。それと同時にITを活用した業務プロセスの改善を行っていく。そして、構築したマーケティング体制でマーケティング活動を実践する。勿論、業務プロセスの改善で生産コストの低減は出来るよね。マーケティング体制も出来ているから、無駄な営業コストも削減できるので、お客様により安くサービスが提供できるようになるんだぜ。
マーケティング活動により、お客様のニーズに合った商品を提供できるようになり、売上もあがっていくってわけさ。[/speech_bubble]
さて、果たして上手くいくのでしょうか?
重要成功要因を実現するアクションプランを作る
重要成功要因だけあっても何も始まりません。
どうすれば、重要成功要因が実現できるのかを考える必要があります。
つまり、重要成功要因を実現する為のアクションプランを次に考えていきます。
今回の重要成功要因は、全部で5つ。では、一つ一つ見ていきます。
1.IT基盤整備
いきなりIT基盤整備を実現する為のアクションプランって言われても、さっぱり分かりません。それもそのはずです。実際にあなたが経営している会社ではありませんからね。
当然ですが、重要成功要因は企業によってマチマチです。また、経営戦略を考える時機にっても変わってきます。
例えば、顧客管理が全く出来ていないなら顧客管理が出来るITの仕組みが必要になりますし、一人一台のタブレットが必要ならタブレットを買い与える事もIT基盤整備になります。
現状の問題・課題に対して何をするのか、と言う答えが重要成功要因に落とし込まれていて、その重要成功要因を実現する為の具体的なアクションを今まさに考えているのです。
今回は、私の独断と偏見でこんな感じのアクションプランにしてみます。
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”yamamoto-smile.jpg” name=””]- 新顧客管理システムの構築
- 営業マン全員へのタブレットPCの配布
ITはPDCAを回す為にも、整備しておく必要があります。
2.人材育成体制
こちらも私の独断と偏見で、こんな感じにしてみました。
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”yamamoto-smile.jpg” name=””]- ITが苦手な一般社員でもEXCELの関数を使って仕事が出来る様になる社内研修の実施
- 初心者向けマーケティング研修の充実
- 業績連動型人事評価システムの構築
ここでは、ITの活用とマーケティングできる人材の育成という方向性です。
3.マーケティング体制の構築
ITの仕組みが出来ていても現場の仕事が変わらないとITを導入する意味がありません。
そこで、マーケティング体制の構築を実現する為に必要な業務プロセスの改善がアクションプランに落とし込まれてくる必要があります。
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”yamamoto-smile.jpg” name=””]
- 営業プロセスの見直し
- 営業資料のペーパレス化
- 営業リードタイムの短縮
[/speech_bubble]
マーケティングをちゃんと行う為の営業プロセス作りがメインですね。
4.業務プロセスの改善
いくらマーケティングが出来ていてもそれだけじゃダメ。
マーケティングを実現してドンドン商品が売れるようになったら、バックヤード業務が忙しくなったり、生産が忙しくなったりするのじゃないですか。
なので、マーケティング以外の業務プロセスの効率化を図っていく必要があります。
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”yamamoto-smile.jpg” name=””]- 属人的作業の標準化
- 生産リードタイムの短縮
- 顧客ニーズに対応した商品開発の実現
ま、こんな感じで良いでしょう。
5.マーケティング
マーケティングってざくっと書いちゃったのは、ちょっと失敗。
本当はもう少し具体的な重要成功要因の方が良いです(^^;
例えば、「大手優良顧客への徹底した情報収集と提案営業」とか。
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”yamamoto-smile.jpg” name=””]大手優良顧客の売上増分野に特化したウォンツ・ニーズの収集
提案営業活動の実施
[/speech_bubble]今回はざっとこんな感じにしてみました。
ココで知っておいて欲しいのは、重要成功要因を実現する為の具体的なアイデア・アクションプランを作成すると言う事です。
勿論、現状分析がキチンと出来ていないとこの具体的なアクションプランは出来ません。
ストーリーを数値で計る
KGIを決める
KGIは、Key Goal Indicatorの略です。KGIを達成すると目標が達成出来た~~~というゴールを数値化したものになります。
そこで先ず、各重要成功要因にKGIを設定していきます。
何が達成出来たら、重要成功要因が達成出来たのかを数値で計れるように考えます。
「IT基盤整備」という重要成功要因のKGIを「2016年3月末までに新システムの構築」とするなら、2016年3月末時点で新システムが構築できていれば「IT基盤整備」が出来たというコトになります。
こんな要領で、全ての重要成功要因にKGIを設定していきます。
重要成功要因 | KGI |
---|---|
IT基盤整備 | 2016年3月までに新システムを構築する |
人材育成体制 | 研修後の確認テスト80点以上 |
マーケティング体制の構築 | 受注率20%向上 |
業務プロセス改善 | 全リードタイム 20%ダウン |
マーケティング | 売上30%アップ |
この数値はなるべく分かりやすく、一般社員から経営者まで誰が見ても分かるようにするのがポイントです。
さて、ゴールが決まったら次はゴールまでどれくらい近づいているかを何で計測するかを決めていきます。それが、KPI。
KPIを決める
KPIとは、Key Performance Indicatorの略です。どれだけ目標に近づいているかを把握する為の数値です。
重要成功要因を達成する為に考えた「アクションプラン」を計測する為の指標です。
例えば、「IT基盤整備」で考えた「アクションプラン」は、
- 新顧客管理システムの構築
- 営業マン全員へのタブレットPCの配布
でした。
KGIに対して、KPIがどれくらい達成出来ているかで進捗を測っていく事になります。
と言う事で、上記2つのアクションプランに対するKPIは以下のようなモノになります。
新顧客管理システムの構築のKGIは、進捗率
営業マン全員へのタブレットPC配布は、配布率
この2つのKPIが100%まで達成してはじめて、KGIが達成出来たコトになります。
え~~~、そんな風にはKPIもKGIも作っていないと言うあなたは、ちょっと前まで戻って作業をやり直して下さいね。
では、残りを全て埋めていきますよ。
重要成功要因 | アクションプラン | KPI |
---|---|---|
IT基盤整備 | 新顧客管理システムの構築 | 進捗率 |
営業マン全員へのタブレットPCの配布 | 配布率 | |
人材育成体制 | 社内研修の実施 | 実施回数 |
マーケティング研修の充実 | 外部講師による研修回数 | |
人事評価システムの構築 | 進捗率 | |
マーケティング体制の構築 | 営業プロセスの見直し | 見直しの進捗率 |
営業資料のペーパレス化 | 定型フォーマットの電子化率 | |
営業リードタイムの短縮 | 見積り依頼から見積提出までの2日以内 | |
業務プロセスの改善 | 属人的作業の標準化 | 標準業務マニュアル作成率 |
生産リードタイムの短縮 | 受注から納品まで今より3日短縮 | |
顧客ニーズに対応した商品開発の実現 | 新商品開発社内コンペ実施回数 | |
マーケティング | ウォンツ・ニーズの収集 | 毎月20件以上/人 |
提案営業活動の実施 | 提案営業回数 |
理想と現実は違うものさ
ここで設定したKPIを日々の業務の中でキチンと観測して、ゴールまでどれだけ近づいているかを確認していきます。
しかし、設定したKPIをどれだけ達成してもKGIに寄与しないというケースも出てきます。
そんな時は、KPIを見直します。
KPIはどんな数値でもかまいません。ググればたくさんの指標が出てきますが、大事な事は自分たちがその数値の意味を理解して、日々の業務を行っているかです。
外部のコンサルタントに決められてた数値を追いかけ回すのではなく、自分たちで決めた数値をしっかり意識する事が最も大事です。
まとめ
ここまで辿り着くと、日々のKPIの計測はITの力を借りて自動的に収集出来た方が良いと思いませんでしたか?
私は、日々KPIを手作業で集計するような仕組みはイヤです。
その為に、ITは使うんです。
リアルタイムでKPIとKGIを把握して、早め早めに次の打ち手を考える事が経営者の最も重要な役目ですね。
ITは経営者の素早い意思決定を助ける為にあるわけです。
その為にも、経営者としてはどの数値が大切なのかという目がとても大事ですね。
前回のおさらい ⇒ 成功への道標 戦略マップを作ろう
P.S
今回のコンテンツ中に登場しているタイル調のテーブルは、LIGさんのサイトで公開されています。