新規事業でITシステムを作る時に心がけていること
現在、幾つか新規事業の立ち上げのお手伝いをしております。
その中で私が期待されているのは、勿論、新規事業の中で如何にITを活用する事が出来るのか、というところ。
そんな私が新規事業を立ち上げる際のITのあり方について思っている事を、今日はご紹介します。
スポンサーリンク
ビジネスモデルの方がITより100倍は重要
当然といえば当然の話。
どんなにすごいITシステムでも、そもそも儲かりもしない、儲かる可能性もないビジネスモデルには無用の長物です。
極端な話、どんなに売れそうなWebサイトを作っても、売っている商品が酷いものならビジネスは成り立たないって事です。
当たり前ですよね。
『誰に』、『何を』、『どのように提供するのか』、つまりこれがビジネスモデルです。
新規事業を立ち上げる場合、既存顧客に新製品を投入するのか、新規客に新商品を投入するのかになる訳です。
どちらの場合も、しっかりとビジネスモデルを練ってからITについては考えればオッケーですね。
行き詰まりる例として良くあるのが、Webサイトを取り敢えず立ち上げて、SNSと連携して集客するという発想です。
そもそも『誰に』がネットの利用に疎い人なら、最初から失敗するに決まっています。
まずは、しっかりとビジネスモデルを考えてから、ITを考えましょう。
受注から納品までの流れをシステムで動かす
これは新規事業に限った事ではありませんが、ITは業務をスムーズに動かす為に使うものです。
つまり、受注してたら、次に何をするのか、そしてその次に何をして、どの様に納品して、どの様に集金するのかという業務全体をスムーズに動かすという事になります。
という事は、まず、どの様な業務を行い、どの様に業務と業務を繋いでいくかという業務設計が必要だという事になります。
受注時にどんな情報が必要で、次の業務にはどの様に引き継ぎ、各業務をどの様に管理していくのか、この辺りは事前に設計しておきましょう。
ココが固まって初めて、具体的にITで実現したい要件が固まってきます。
手っ取り早く作って試してみる
ITシステムは大きく分けて3種類あります。
- 完全に自社の業務に合わせて作り込むもの(スクラッチ)
- どこかの業者が販売もしくは提供しているもの(パッケージ、クラウドサービス)
- スクラッチとクラウドサービスを融合したのも
どれを選ぶかにより開発期間、開発費は大きく変わります。
さて、最終的にどれを選ぶにしても、どんな事をITシステムで実現したいのかは、決めておかなければなりません。
決めておかないと、システム開発の発注をする時にえらい困ります。
大工さんに、ノープランで家を建ててっていう様なものです。
そこで、今あるモノを使ってシステムを作ってみる事をお勧めします。
取り敢えず、EXCELがあれば何とかなります。
ある程度、ITシステムのイメージが固まっていれば、試用してみるのが良いでしょう。
最近のクラウドサービスでは、15日~30日間無料で試用できるものがたくさんあります。
業務を回して問題点を洗い出す
EXCELやクラウドサービスを利用しながら、実際に業務を回してみるとシステム上の問題点や改善点をはじめ、ビジネスモデル上の課題も浮き上がってきます。
当初は考えていなかった事や、顧客や取引先から言われて気がつく事や、そもそも実現不可能だった事など、色々な事が分かります。
ここで可能な限り課題、問題点を洗い出す事が超大事。
まぁー、机上で考えた事と、実際に起きる出来事は違うものです。
その違いが、ギャップです。
洗い出した課題や問題点の改善に取り組みながら、システムに必要な要件を考えるのです。
因みに、業務上の問題点の代表例としては、業務ステータスの管理、顧客からの問い合わせ対応、情報の共有、各種帳票やフォーマット辺りです。
ビジネスモデルの再確認とITシステム
実際にシステムを使いながら業務を回して洗い出した課題や問題点を改善した新しいビジネスモデルは、やっとここで出来上がります。
大切なのは実際に行動してみるって事です。
行動なくして結果はないですしね。
そして、何より大切なのはここまでの流れを如何に短期間で実行出来るかです。
ビジネスモデルさえ決まっていれば、後はどうとでもなるのがビジネスだと思います。
Webサイトがないと売れないとか、集客できないとかは、関係ないんです。
実際に受注して顧客とのやり取りをしていると様々な問題が出て来ます。
納品にも様々な問題が出て来ます。
何もなく過ぎ去って行く事はないと思います。
そして、ついに本格的なシステムの開発に着手します。
ここまで試してダメなら、システムは必要ありません。
はじめから完全なシステムの構築は無理です。
必要最低限の機能を持ったシステムで、まずは業務を回す事、これが私がこれまでの経験から辿り着いた答えです。