まだ5フォース(ファイブフォース)分析で消耗してるの?新説5フォース(ファイブフォース)分析
マイケル・ポーターの「競争の戦略」で有名になった「ファイブフォース分析」は、今は昔の話なのか?
私自身、過去にフレームワークとして取り組んでみたがあまりしっくりこなかった。キット、多くの人もそう思っているはずだ。
こんにちわ。やまもと(@heronokenta)です。
今日はマーケティングの教科書に3C分析やSWOT分析などと合わせてよく紹介されている「ファイブフォース分析」に私なりの活用方法を交えてシェアしよう。相棒は自称美人アンカーウーマンのカツヨだ。
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ポーターのファイブフォース分析って使えるの?
ファイブフォース分析とは、あなたの会社(あなたのいる業界)には5つの脅威が存在するという事を分かりやすく捉える事が出来たフレームワークだ。考えられたのは、今から30年以上前、私が小学生の頃の事だ。
では、先ずはポーターさんが考えた図をご覧いただこう。
うわぁ~~~、英語ですか・・・ここは読者の事を考えて、是非とも日本語にお願いします
カツヨ
英語が苦手なカツヨであった。
確かに分かりにくいので、一般的な図でご覧に頂こう。
[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”ka24_smile.png” name=”カツヨ”]ち、最初から日本語で出せよ[/speech_bubble]ちなみに、ポーターさんが考えたファイブフォース分析は次の5つ脅威から成り立っている。
- 買い手の交渉力
- 供給企業の交渉力
- 新規参入業者の脅威
- 代替品の脅威
- 競争企業間の敵対関係
では、5つの脅威を一つずつ見ていこう。
新規参入者
あなたの会社(業界)を見て、「儲かるんちゃう」などと考えて、異業種から虎視眈々とあなたのお客さんを狙っている。
しかも、異業種であなたより凄い武器を持っていたりする。低価格、高品質、短納期、ノウハウなど武器は様々だ。
新規参入者は既存の事業で成功した得意なやり方であなたのお客さんの所にやってくる。お客さんにとってこの上なく素晴らしい提案ならお客さんは新規参入者にとられてしまうのだ。
サプライヤー
あなたの会社に部品やサービスを供給してくれる人だ。仕入れ業者、運送業者などあなたの会社がサービスや製品をお客さんに提供するために必要なサービスや製品を提供してくれている。
サプライヤーを1つに集中すると、いざと言う時にあなたの会社のサービスや製品をお客さんに提供できなくなる。更に、値上げの要求があれば、サービスや製品の価格に転嫁する事も考慮してしなくてはならない。
お客さん
お客さんを脅威というのは些か気がひけるが、あなたの会社が一つのお客さんに依存しすぎていると良くないという事だ。
大量購入、定期購入などお客さんは少しでも安くサービスを受けたり、製品を手に入れたいと考えている。
更に、あなたの会社に様々な要望やクレームを上げてくる事もある。値下げやクレームはあなたの会社にとって大きな脅威になり得るはずだ。
代替品
例えば、何時でも何処でも音楽が聴けるウォークマンがiPodのような新しい機械に取って代わられたように、あなたの会社が提供しているサービスや製品も常に新しい技術やアイデアに対して無関心ではいられない。
しかも海の向こうから知らない間にやって来て、あっという間に駆逐される事さえある。日本の津々浦々にあった町の本屋さんがAmazonに駆逐されたのは記憶に新しいのではないだろうか。
代替品を一言え言えば、新しい価値感の提供と言う事になる。
競合他社
あなたの会社と切磋琢磨している競合他社はあなたにとっては日常的な脅威だろう。お客さんは移ろいやすく、一生涯付き合う事はない。人生のある一定期間、お客さんとして時間を共有する。
だからこそ、競合他社より素晴らしいサービスや製品を届ける事が大事だ。
実践!山本流ファイブフォース分析
では、実際にファイブフォース分析を行っていこう。書き方は自由だ。紙でもEXCELでも好きなものに書いてみよう。順番も好きな順番でかまわない。
但し、ここから先はポーターさんのファイブフォース分析ではなく、山本流ファイブフォース分析だ。
新規参入者からタブーを学べ
今のあなたにはない考え方で新規参入者はやってくる。あなたの会社やあなたの業界のタブーを恐れずに平気で破ってくるのだ。
これはとてつもなく怖い事ではないだろうか。過去の成功体験や業界の慣習や常識に凝り固まった頭では新規参入者には適わない。
新規参入者が恐れず平気で破ってくるあなたの会社やあなたの業界のタブーを列挙しよう。
サプライヤーが喜ぶあなたに出来る事を考えろ
サプライヤーとの関係はとても重要だ。何せ、あなたの会社のかわりにお客さんと接する可能性がある。その時、お客さんにあなたの会社の素晴らしさを伝えてくれれば、お客さんからの信用は一段と増す。
そんなうまい話があるかどうかは置いておいて、サプライヤーとは取引業者さんだ。商品の購入やサービスを受ける為、サプライヤーに取ってはお客さんだ。
だから、サプライヤーに何でも言って良いかと言えば、全然ダメだ。そんな事を言った日には大きなブーメランになって在らぬ方向から返ってくる。
サプライヤーが喜ぶあなたの会社に出来る事を書くと良い。
お客さんを断る条件を明確にしろ
「お客様は神様です」という言葉が一人歩きしているお陰で、お金を払えば何でもしてくれるというモンスターがそこかしこに発生中だ。
モンスターを育てるのはあなた自身。出来もしない、やりたくもない要求を飲んで育てるのだ。そんな事をしていては、あなたの会社は成長しないし、従業員も幸せではない。勿論、あなたの会社のファンである真のお客さんにも悪い影響しかない。
あなたは従業員、ファンであるお客さんを守っていかなければならない。その為には、付き合わないお客さんを決めておく事が必要なのだ。
付き合いたくないお客さん、受けたくない仕事、やらない仕事を明確にしておこう。
あなたのサービスを駆逐する新しい代替品(価値感)を考えろ
前述したが代替品とは「新しい価値感」の事だ。あなたの提供するサービスや商品に取って代わるような新しい発想。「そんなもの現れてみないと分からない・・・」と思ってはいないだろうか。
実はそんな事はない。
周りを見渡せば、幾らでも代替品の候補はある。目にしていても、意識していないから気がつかないだけだ。
「まさか・・・」と思うものが代替品となり得る事が往々にしてある。
あなた自身のサービスを駆逐するような強烈な新しいアイデアを考えて欲しい。
競合他社の使える技やノウハウを取り入れろ
日々競い合っている競合他社の凄い技術、ノウハウは気にならないだろうか?競合他社が売上を伸ばしているにはキチンと理由がある。理由もなしに売上は伸びていかない。
競合他社がやっていて、あなたの会社がやっていない事。その中でもあなたの会社に取り入れれば効果が上がりそうなものは積極的に取り入れてみれば良い。
その前に、競合他社がやっている事であなたの会社でやっていない事をどんどんピックアップして欲しい。
あなたの会社が誰にも負けない会社になる道標
ここまであなたに書き出して貰った5つの項目を改めてみておく。
- 新規参入者からタブーを学べ
- サプライヤーが喜ぶあなたに出来る事を考えろ
- お客さんを断る条件を明確にしろ
- あなたのサービスを駆逐する新しい代替品(価値感)を考えろ
- 競合他社の使える技やノウハウを取り入れろ
全てあなたの会社が今より良くなる為に必要なモノになっている。
タブーはあなたが決めたもので、他の人から見ればおかしなものもたくさんある。自分だけが良い思いをして人を利用しようとしてもその通りにはならない。目先の利益に追われて本当のお客さんを逃がす事もあるだろう。新しい価値感はあなたの会社そのものを次のステップに連れて行く可能性がある。そして、最も身近なライバルからは真摯に学べば良い。
これらを是非、経営に活かして頂きたい。
やまもとの視点
ポーターさんの考えたファイブフォース分析は、自分のいる業界についての前述した5つの要因を分析する事で、今後の対応を検討する為のものだった。簡単に言うと「儲かる業界にいれば、儲かる」という感じだ。つまり、以下に外敵を排除して行くかという発想だ。
しかし、現在は業界の垣根は限りなく低くなり、あらゆる分野において新規参入がしやすい状況が出来つつある。つまり、儲かる業界はあってないようなモノだ。誰にでもチャンスはある。
故に、今後は自社を如何に強化していくか、差別化していくかがとてもとてもとても大事だ。今回の山本流フィアブフォース分析では、周りの5つの視点から自社を強化する為に必要なことを考えられるフレームワークにしてみた。
ファイブフォース分析で業界をみてみるのも良いだろうが、是非、あなたの会社そのものを見つめて欲しい。