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バランス・スコアカード(BSC)とは?4つの視点で戦略を組み立てる戦略マップの書き方

    
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バランス・スコアカード(BSC)とは?4つの視点で戦略を組み立てる戦略マ...

ぼくは2009年に起業したとき、運良く「ITを使った経営改革の方法」を中小企業の経営者に教えるという事業に携わることができました。

今思うと、本当に運が良かったとしか言いようがありません。

その経営者向け研修の中で、「難しい!!!」と多くの経営者に言われていたのが「バランス・スコアカード」を使った戦略マップの作成なんです。

実は、この戦略マップというのは、ひと目で会社の経営戦略、問題解決までの道のりが分かるというとても優れたツールなんです。

今日は、多くの中小企業の経営者が「難しい!!」と唸ったバランススコアカードを分かりやすく解説してみたいと思います。

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そもそもバランス・スコアカード(BSC)って一体なんなのさ?

ども、マンツーマンでできるまで。

ウェブ集客先生のやまもと(@heronokenta)です。

やまもと

あの〜〜、バランス・スコアカードって一体何なんでしょうか?

かつごろう

バランス・スコアカードというのは、1990年にハーバード大学のキャプラン教授と、経営コンサルタントのノートン博士が、ハーバードビジネスレビューで発表した経営課題を解決する為のフレームワークなんです。

やまもと

な〜〜んだ、アメリカ人が考えた方法ね

かつみ

このバランス・スコアカードの特徴は、4つの視点にあります。

経営課題を解決する為の要素を4つの視点にまとめて、様々な因果関係を可視化する事ができるというのが最大のウリです!

その4つの視点とは

  1. 財務の視点
  2. 顧客の視点
  3. 業務プロセスの視点
  4. 人材と変革の視点

です。

では、この4つの視点を一つずつ見ていきます。

バランス・スコアカード4つの視点「財務の視点」

財務の視点とは、売上や経費など経営に関わるお金の視点です。

経営はシンプルに考えていくと、「売上」を増やして「経費」を削減することに行き着きます!!

利益 = 売上 − 経費

つまり、経営は利益を出し続けなければ存続することができないのです。どんなに綺麗事を並べてみたところで、利益のでない仕事は続いていかないってことですね。

バランススコアカードでは、残りの3つの視点を使って如何に売上を上げて、経費を減らすかを分かりやすく表現することができるんです。

バランス・スコアカード4つの視点「顧客の視点」

顧客の視点とは、簡単に言うと顧客満足度のことです。つまり、顧客満足度を高める視点。

まぁ〜、今の会社、どこの会社も「顧客満足度の向上!!」って叫んでいるわけですが、実際のところ本当に顧客満足度を高められている企業はそんなに多くはありません。

そもそも、顧客満足度ってどうやったら高められるんでしょうか?

かつごろう

顧客満足度を高めるには、お客さん困っている問題を解決することです!

やまもと

じゃぁ〜〜さぁ〜〜〜、どうやって顧客満足度を高めたら良いんですか?

かつみ

それが、次の「業務プロセスの視点」になります。

バランス・スコアカード4つ視点「業務プロセスの視点」

業務プロセスの視点とは、仕事のやり方です。

多く企業は、「ムリ」「ムラ」「ムダ」を省いて効率良く仕事をしよう、生産性を上げていこうと日々努力を行っています。

しかし、その努力が無駄だとしたら、どうしますか??

実は、多くの経営者がこの「業務プロセスの視点」を知らないために、中間管理者や従業員に大きな負担を強いているんです。

やまもと

まさか?!

かつごろう

嘘のように感じるかもしれませんが、本当です。

従業員が一生懸命仕事をしているのに成果が出ないのには、明確な理由があるんです。

その理由を、「業務プロセスの視点」で見つけて改善することができるようになります

バランス・スコアカード4つの視点「人材と変革の視点」

戦国最強と言われた、あの武田信玄の言葉に次の様なものがあります。

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり

武田信玄

誰、このおっさん。私、知らないわ

かつみ

なに?!信玄公をしらんのか?!

かつごろう

まぁ~まぁ~まぁ~。

この言葉の中にある「人は城、人は石垣、人は塀」に注目!!

つまり人材は大事だよってこと

やまもと

どんな企業でも、お客さんにサービスを提供したり、製品を作ったりするのは「人」です。

そして、新しい技術や仕組みを取り入れて組織や仕組みを常に成長、変革させていく必要があります。

人材と改革の視点とは、「人材を大切、そして常に変革、成長をする」という視点です。

で、これらの4つの視点を取りまとめて、次のような戦略マップに落とし込んでいきます。

bsc

あの~~~、どうやってこれに落とし込んでいくの?

かつみ

初心者でもつくれるバランス・スコアカードを使った戦略マップの書き方

バランス・スコアカードは、下から順番に上を目指して山を登るように見ていきます。

つまり、「人材と改革の視点」→「業務プロセスの視点」→「顧客の視点」→「財務の視点」のように下から上にたどっていきます。

では、早速、バランスス・コアカードを使った戦略マップの書き方を説明します。

  1. ゴールの設定
  2. 重要成功要因の設定
  3. 業績評価指標(KPI)の設定
  4. アクションプランの策定

ビジョン・目標・ゴールの設定

バランス・スコアカードを作成するには、何のためにバランス・スコアカードを作るのかという「ゴール」が大切です。

ゴールを決めないことには、いったい何をしたらいいのかよくわかりませんよね。

旅行に行くにも、目的地を決めないと交通手段、宿泊先、お土産を買う場所、観光する場所などが決まりませんよね。

例えば、Web集客なら売上1000万円/月などです。

重要成功要因の設定

ゴールを決めたら、そのゴールに向けて何をするのかという「重要成功要因」を設定します。

重要成功要因とは、Critical Success Factor(CSF)とも言われ、目標を戦略的に達成する為の重要な要因のことを言います。

で、いったい何が、重要成功要因なのか・・・、それを見つける為に行うのがSWOT分析クロスSWOT分析です。

重要成功要因は、後述するアクションプランとは違い、具体的な行動ではありません。

例えば、「集客導線を構築する」「いいねを100個獲得する」「動画コンテンツを作成する」などウェブ集客で売上を+1000万円/月にするための作戦です。

で、この重要成功要因を4つの視点に枠に当てはめていって、各重要成功要因を線でつないでいきます。

こんな感じです!Web制作会社を例に作ってみました。

上図の角丸四角が重要成功要因です。

ざっくり説明すると、

  • 優秀な新卒を採用して、新しく発足するマーケティングチームに配属
  • 更にマーケティングやプロジェクト管理関連のセミナーに参加させる
  • 内部だけでは手が足りないので外注先を新しく確保
  • 次に、Webマーケティングの仕組みを見直し再構築
  • 1ヵ月以内コンテンツ制作できる体制を構築
  • Webマーケティングの仕組みを活用して会員サイトを運営
  • 自社のWebマーケティングで得た知見をもとに成果報酬型のコンサルティングを提供
  • Webマーケティングで蓄積したデータを分析し、Webサイト制作時のヒアリング時間の短縮
  • 更に納期の短縮を行う
  • 結果、売り上げが上がって、経費が下がる

とまぁ~、こんな感じです。

全員がバランス・スコアカードの戦略マップの見方を知っていれば、全社員に会社の戦略を一目で伝えることができますよね。

バランス・スコアカードを成功に導くKPIの設定

バランス・スコアカードは4つの視点に、あるものを組み合わせることで成果を出すことができるようになります。

そのあるものとは、数字です。ただし、単なる数字では意味がありません。

きちんと、バランス・スコアカードにのっとって、行動し結果を出しているかをきちんと捕捉することができる数字です。

その数字とは、

KPIとKGI

です。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で重要業績評価指標のことです。

要は、今どれだけゴールに対して近づいているかを計測する為の数字です。

例えば、ブログを使ったWeb集客ならPVや問合せ件数、記事の投稿数等がKPIになります。

つぎにKGIとは、Key Goal Indicatorの略で重要目標達成指標のことです。

つまり、最終ゴールの数字です。

例えば、ブログを使ったWeb集客なら売上や顧客数がKGIということになります。

さて、ここで一旦KGIとKPIの関係性について整理をしておきます。

bsc

KPIを達成していくと、KGIが達成できるというロジックになっています。

で、このKPIは重要成功要因の経過測定に使っていきます。

一旦、前述した重要成功要因にKPIを設定しておきます。

視点 重要成功要因 KPI
財務の視点 売上アップ 1000万円/月
経費削減 残業時間 -40時間/一人
顧客の視点 会員制サイトによる情報発信 会員数 100人/月
成果報酬によるコンサルティング 3件/月
ヒアリング時間の短縮 -10/件
納品時間短縮 1ヵ月以内の納品率 100%
業務プロセスの視点 Webマーケティングの仕組み構築 SFA導入 半年以内
1ヵ月以内のコンテンツ制作 外注先とのリモート会議 毎日
人材の変革の視点 マーケティングチーム発足 1月以内
優秀な新卒採用 30名
セミナー参加 半年以内 6回/一人
外注先確保 外注先3社契約

こんな風に数字を入れて書いてみると、具体的に何をしたらいいか分かりやすくなってきます。

重要成功要因が上手く実行できているかどうかを確認するための数字は、KPIってことなんです。

日々の行動に落とし込むアクションプランの策定

バランス・スコアカードを使って目標を達成する為の戦略が描けたら、日々の具体的な行動をどうするかをアクションプランとして落とし込んでいきます。

目標や戦略だけが決まって、日々何もしないなら絵に描いた餅で、何も変わらないってことですからね。

さらにさらに、このアクションプランに落とし込むときに重要な行動のパターンがあります。

実は、この行動のパターンをしらずにアクションプランを策定して、せっかく戦略マップを作ったけれど役に立たなかったという企業は後を絶ちません。

その行動のパターンとは、「付加価値活動」と「非付加価値活動」です。

読んで字のごとく、「付加価値を生む活動」と「付加価値を生まない活動」があるということ。

付加価値活動とは売上に直結している活動、非付加価値活動とは売上に直結していない活動のことです。

では、いったいどんな活動が「付加価値活動」「非付加価値活動」なのか見ていきます。

例えば、「営業」という仕事は次にように分解してみます。

  1. アポイント
  2. 資料作成
  3. 移動
  4. 商談
  5. 見積書作成

営業の仕事は、お客さんにアポを取って、プレゼン資料を用意して、お客さん先に行って、商談して、見積り出して、お客さんが納得したら受注といいう流れです。

で、この中で売上に直結している行動は一体何だと思いますか?

それは、

商談

です。

商談以外は、売上に直結している行動ではないので非付加価値活動と言うことです。

どんなにお客さんに会うために時間をかけて移動しても、移動時間は売上には関係ありません。

どんなにお客さんが納得できるような見積書の作成に時間をかけても作成時間は売上には関係ありません。

つまり、ひとりのお客さんに対して、如何に商談するかが営業にとってこの上なく重要と言うことなのです。

さて、あなたの今の仕事は、付加価値活動と非付加価値活動のどちらに時間を使っていますか?

アクションプランは、重要成功要因をどんな付加価値活動で実現していくのかを設定していきます。

例えば、「優秀な新卒採用」という重要成功要因を実現する為のアクションプランなら、新卒者との面接を如何に増やすかが重要なポイントになります。

つまり、「面接を増やす為に何をするのか?」を具体的なアクションプランとして落とし込みます。

  • 企業の合同説明会に出展する
  • 学校で企業説明会を実施する

そして、実際に企業の合同説明会に出展しどれ位面接できたかとか、学校で企業説明会を実施して新卒者にどれ位会えたの、PDCAを回しながら、KPIがどう推移ししていったのかなどを検証していきます。

成果を出すバランス・スコアカード(BSC)の使い方

実際問題、バランス・スコアカードを使って戦略マップを作るのって結構面倒くさいです。

ほとんどの人が、バランス・スコアカードを知りませんし、ひとりだけで作って自己満足していても成果はありません。

なので、会社や部署などある程度チームになっている単位に導入をしていく必要があります。

そして、作った後はPDCAサイクルを継続しないと、作っただけで終わってしまいます。

そこで、バランス・スコアカードを会社に定着させて、結果を出す為の方法を紹介します。

3つのバランス・スコアカードを用意する

bsc

3つのバランス・スコアカードとは、経営層が作成する全社版バランス・スコアカード、各部署が作成する部門版バランススコアカード、そして個人が作成する個人版バランス・スコアカードの3つです。

全社版とは文字通り会社全体でどうしていくのかを纏めるモノ。

部門版は全社版のバランス・スコアカードを見て各部門で自分の部門がどうやって行くのかを纏めるモノ。

そして、個人版は部門版のバランス・スコアカードを見て、各個人が自分自身がどうするのかを纏めるモノです。

この3つの階層毎のバランス・スコアカードを作ることで、会社全体が同じ方向を方向を向いて行動をする事ができるようになるわけです。

全社版は経営陣が作成し、部門版は各部門の責任者が作成し、個人版は個人で作成します。

やまもと

目に見える場所に掲示しておく

一度作って後は見ないのでは意味がありません。

至ってシンプルですが、常に目に触れる場所に掲示しておくことが、バランス・スコアカードを忘れないための重要なことです。

外部コンサルタントを活用する

社内でバランススコアカードを運用することも可能ですが、外部コンサルタントを使った方が良い場合もあります。

社内の人間だけで運用する場合、部門間の衝突や、経営層と現場の衝突などが発生した場合、社内に遺恨の残す事があります。

そんな時、外部コンサルタントがいれば「あのコンサルタントが言ったから・・・・」と、社内調整がスムーズに行えるようになります。

ま、コンサルタントの仕事って問題解決のために泥臭く各部署を調整することですから

やまもと

使い倒してナンボやね

かつごろう

バランス・スコアカードのまとめ

バランス・スコアカードは、会社の経営課題、問題を解決するためのフレームワークです。

そして、4つの視点から生み出される戦略マップと、KPIの設定、PDAサイクルの実行で問題を解決し、成長させることができるようになります。

もし、あなたの会社がどんなに頑張っていても成果があがらないなら、一度導入を検討してみることをお勧めします!!

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