ビジネスモデル・キャンバスとは?世界一簡単な書き方を公開!テンプレートあり
こんにちは! やまもとけんた(@heronokenta)です。
米アマゾン、グーグル等、現在隆盛を極めるITビジネスの会社で実際に使われているフレームワーク「ビジネスモデル・キャンバス」をあなたは知っているだろうか?
このビジネスモデル・キャンバスは、2012年頃日本に上陸し、IT業界を中心にたちまち数多くの企業で取り入れた。
ひと言で言えば、A4一枚であなたのビジネスモデルを丸裸にする超優れ物だ。
あのアマゾンやグーグルが使っているフレームワークというだけで、ワクワクしないだろうか?
その他にも数多くの企業で実際に使われて、その有効性が認められている。
この記事では、そんなビジネスモデル・キャンバスの書き方をシェアしていきたい。
また、この記事では9つの質問に答えるだけでビジネスモデル・キャンバスが作成できる「ビジネスモデル・キャンバス簡単作成シート」がダウンロードできる。
使ってみたい方は、是非、ダウンロードして欲しい。
ビジネスモデル(business model)
利益を生み出す製品やサービスに関する事業戦略と収益構造を示す用語である。
顧客は企業から提供される製品やサービスと引き換えに代金を支払い、企業は利潤を得るという一連の構造を指してビジネスモデルと呼ぶ。特に、消費者と企業間の連絡手段としてインターネットなどの新たな情報技術を活用し、製品やサービスの選択と購買(調達)、決済、配送(物流)までの一連の商行為を整理しシステム化し、収益性を高めた新規性のある事業形態が登場したことで注目される言葉となった。他社による同様の事業を禁じて独占を図る目的で特許とする「ビジネスモデル特許」が紹介されたことでいっそう注目を浴び定着した。最近では、フリーミアムや広告モデルに代表されるように、無償で製品やサービスを提供し、違う経路から収益を得る仕組みなどで成功している企業が増え、収益の仕組みだけを指してビジネスモデルと呼ぶケースも増えている。
語源は、ビジネスの原型という意味から発生した語で、循環する人の和・共感を包括した社会科学的貢献システムを示していたが、現在は利益追求の意味合いが強い。戦略・収益・SCM(サプライチェーンマネジメント)など、製品・サービス・資金の経路を設定するビジネス構築も含まれる。出典元:wiki
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まずはビジネスモデル・キャンバスを見よう
そもそもA4一枚でビジネスモデルを丸裸という見出しが本当かどうか確認してもらう為に、ビジネスモデル・キャンバスで書かれたとある会社を見てもらおう。

これは私がアマゾンについて作ってみたビジネスモデル・キャンバスだ(う~~む)。
これでアマゾンが一体どんなビジネスモデルになっているのかが、分かってしまう。
では、どんなビジネスモデルになっているかを紐解いていこう。
その為には、まずは枠の名称と、枠の中に何を書くのかを説明しなくてはならない。
こちらの動画は、ビジネスモデル・キャンバスの9つの要素について詳しく(英語で)解説している。
ビジネスモデル・キャンバス 9つの枠
ビジネスモデル・キャンバスは上の図でご覧いただいたように、9つの枠で区切られている。その9つの枠にいったい何を書けばいいのか、これから解説をしていく。
顧客/CS(Customer Segments)

ここは、ターゲットを書く場所だ。どんな顧客がターゲットになっているかを書く。ペルソナを書いても良いだろう。
例えば、ターゲットが個人なら年齢、性別、職業、地域、収入、学歴、趣味、嗜好、考え方だ。法人なら、業種、年商、従業員数、取扱い商品、持っている販売チャネルなどになる。
価値提案/VP(Value Propositions)

いわゆる「売り」「差別化のポイント」「コア」を書く場所だ。顧客にとって最も価値のある提案をココにならないと意味が無い。顧客の課題を解決する、ニーズやウォンツを満たす提案を書き込むのだ。ココは何よりしっかり書けるようになろう。
例えば、「早い」「旨い」「安い」とか(牛丼か)、「熱々のピザを30分でお届けします」などだ。
勘のいい人は気づいたかもしれないが、実はここにはUSPがくることになる。
チャネル/CH(Channels)

価値提案を顧客に届ける方法を書く場所だ。WebサイトやTVCM、SNS等コミュニケーション、流通、販売チャネルを書き込もう。
ただし、なるべく具体的に書いた方がいい。SNSならFacebook、Tiwtter、 Instagramで利用しているユーザ層が丸っきり違う。
流通チャネルも、実際に荷物の移動を伴うモノなら物流が必要だ。しかし、ダウンロードですむようなサービスなら物流ではなく、スマホが流通チャネルになる。
顧客との関係/CR(Customer Relationships)

ターゲットとどのような関係を築くのかを書く場所だ。顧客との関係をどのよう維持していくかを書いておくと良い。
例えば、高額な商品を扱っているなら顧客は手厚いサポートを求めている。一方で、いつでもどこでも変えるような商品なら、わずらわしい関係性は求めてはいない。
ココを間違えると、不要なお客さんにメルマガを送ったり、必要なお客さんにフォローメールを送らなかったりする事態が発生する。
収益の流れ/R$(Revenue Streams)

ターゲットに価値提案を届けた結果得られる収益を書く場所だ。つまり、利益の源泉だ。売り上げだ。何が売り上げになるのかをしっかりと把握できているだろうか?
有形であれば、商品への対価が売上になるし、無形ならサービスへの対価が売上になる。この対価をどのように収益に繋げていくかをしっかりと認識する為にこの枠が存在している。
最近では、無料オファーでリストを集め、フロントエンド商品で少額の商品・サービスを提供し、バックエンド商品でしっかりと利益を上げる方法が良くとられている。
リソース/KR(Key Resources)

これまでに上げてきた要素を提供するために必要な資源を書く。つまり、お客さんに価値を届ける為のリソースだ。リソースは提供する価値やチャネル、顧客との関係によって千差万別だ。何が源泉になるのかをしっかり考えるのだ。
お客さんに価値を届ける為には、様々なリソースが必要となる。例えば、製品を作るなら工場、荷物を運ぶならトラックといった具合だ。
経営資源として良く目にする「人」「モノ」「金」「情報」をキーワードに重要なリソースをピックアップして欲しい。
主要活動/KA(Key Activities)

ここにはリソースを活用して、日々行っている活動を書く。つまり、商品・サービスをお客さんに提供するための活動だ。
具体的に言えば、お客さんに届ける商品を作るために何をしているのか。作った商品を販売する為に何をしているのかだ。
ここに書かれた活動は、売上に直結する活動でなければならない。
パートナー/KP(Key Partners)

社外で協力してくれるパートナーを書く場所だ。自社の人員だけでは賄いきれない仕事を外注する事はとても重要なことだ。
但し、外注すると言っても、外注先を手下のように使うのではなく、パートナーとして一緒に取り組むことで、より高い仕事の質を得ることができる。
コスト構造/C$(Cost Structure)

ビジネスを維持する為に必要な費用を書く場所だ。どんな費用が掛かっているかちゃんと理解しているか確認しておこう。
リソース(KS)を確保したり、パートナー(KP)との関係を維持する為にはコストがかかる。
このC$でかかるコストを、R$から差し引いたモノが、利益になる。
さぁ、これらのルールを見ながら、先ほどのビジネスモデル・キャンバスを見てみると如何だろうか?
おおよそビジネスモデル全体を理解できたのではないだろうか。
そう、この様に何処に何が描かれるかさえ知っていれば、直感的に理解が出来るのが、ビジネスモデル・キャンバスの優れたところだ。
「成功への道標、戦略マップを作ろう」で紹介している戦略マップとは、全く性格が異なるものになっている。
戦略マップはゴールに辿り着くための道標、ビジネスモデル・キャンバスはビジネスモデルそのものを見える様にしたものだ。
ビジネスモデル・キャンバスを書いてみよう
知っていることと、分かっていることは雲泥の差だ。
知識として知っていることより、実践し経験して分かっている事が重要なのだ。
今日は、是非、ビジネスモデル・キャンバスを実際に書いてみて、分かってほしいと思っている。
今日キャンバスに書いてほしいビジネスモデルは、ずばり「今の自分の会社」についてだ。
まずは、A4に枠線を引き、始めのひと枠を埋めてから、この続きを読んで欲しい。もし、PDFのフォーマットをダウンロードしたい人は、こちからダウンロードできる。
全部で9つに区切られている枠の中であなたはどの枠から書き始めただろうか?
もし、VPから書き始めたとしたら、あなたは顧客に提供する価値について日頃考えているに違いない。もし、CSから書き始めたとしたら、あなたはターゲットについて日頃考えている筈だ。
つまり、何処から手をつけたかによってあなたが一番気にしているポイントを知る事が出来るのだ。
続いて、残りの枠を全て埋めて欲しい(制限時間5分)
短時間で埋めるのは難しかったかもしれないが、慣れれば十分にできる様になるので安心して欲しい。
ここで、枠を埋めている最中のあなたの思考を思い出してみよう。
キッと、「あ、これ足りない」「あー、次はこっちを考えなきゃ」「うおー、これ考えた事無かったわ」「こっちの枠をアレするには、あっちの枠で何しなきゃ」など、様々な思いが駆け巡ったに違いない。
このフレームワークを利用する最大の利点は、今、体験した思考の過程にある。
この気づきがあなたのビジネスを加速させる大きな大きな発見に繋がるのだ。
1年後のビジネスモデル・キャンバスを書いてみよう
ここから先は、このフレームワークをどの様に活用していくかについて話を進めて行こう。
現状のビジネスモデルをキャンバスに書いたからといって、未来は何も変わらない。
先ほどの思考の過程で気づいた様々なヒラメキを盛り込んで、新しいA4の紙に少し未来(1年後)のビジネスモデルをキャンバスに書いてみよう。
実現可能かどうかは後で考えるので、今は少し未来(1年後)のビジネスモデルを書き切ることに集中しよう。
ここに書き切れない未来、書く事のできない未来は訪れないと思って書いて欲しい。
今と未来のキャンバスを比べよう
ここまで来れば後は何をするのか、察しがつく事だろう。
その通り。始めに書いたキャンバスと少し未来のキャンバスを比較するのだ。
比較するときは、枠ごとに比較するのが良いだろう。
例えば、CSを比較するなら、表でも書いて左側に現状のCSの内容、右側に少し未来のCSの内容を書くだけだ。
そして、如何すれば左(現状)から右(未来)に移行できるのかを考えて、その横(やること)に書いておこう。
こんな感じ。

全ての枠について書けば、あなたは明日から何をしないといけないのか、かなりスッキリしている事だろう。
この時のポイントは3つ
1つ目は、やることを日々行動できるレベルにまで落とし込む
2つ目は、日々の行動が計測できる事
3つ目は、すべての行動に枠を外す事
ビジネスモデル・キャンバスは定期的に書き直そう
一度書いただけではきっと満足のいくものは書けないと思う。この手のフレームワークはそういうものだ。書く回数、考えた時間に比例して上達する。
何度も何度も書き直すうちに、自分の会社のビジネスモデルが明確に見え始めるに違いないのだ。
一度書いたビジネスモデル・キャンバスは捨てずに残して置き、後から見直すと更に大きな気づきを得ることができるだろう。
実際に目に見えないビジネスモデルをたった1枚のA4用紙で表現できてしまうこのフレームワークを是非、今からでも役立て欲しい。
ビジネスモデル・キャンバス簡単作成シートのダウンロード

さて、このブログでは簡単にビジネスモデル・キャンバスを作成出来るEXCELシートを配布している。9つの窓に対する質問に答えながら、埋めていくことでビジネスモデル・キャンバスを作成することが出来る。
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また、ビジネスモデル・キャンバスの中でCS、VP、CH、CRの書き方に特化した記事があるので、是非、参照して欲しい。
「誰に」「何を」「どのように」届けるか!ポジショニングをビジネスモデル・キャンバスで考える
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