【必見】SWOT分析の事例7選
戦略を考えるためにまずはSWOT分析をしなければならない。
そう思ったあなたは正解。
SWOT分析とは、「Strengths:強み」「Weaknesses:弱み」「Opportunity:機会」「Thread:脅威」の4つの項目に分けて、戦略を立てる手法だ。
SWOT分析についていろいろ調べてみて、「強み」「弱み」「機会」「脅威」に分けて分析することは分かったが、実際にはどう分析すればいいのか?これで正しいのか?と不安になっている人もいるだろう。
そこで、SWOT分析の事例を7選を紹介する。
どのように書き出せば良いのか、参考にしてほしい。
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【アミューズメントパーク事業】オリエンタルランド
オリエンタルランドは、みんなが知っているディズニーリゾートを運営している会社だ。
ブランド力も高く、熱烈なファンもたくさんいることがディズニーランドの強み。
ディズニーには熱狂的なファンがいる一方で、年間の来場者数が減っている事実もある。
パスポートチケット代の値上がりに比例するように、来場者数が減少している。
ディズニーランドは開業してから36年を超え、アトラクションの老朽化が進んでいる。
その設備のメンテナンス費や新しいアトラクションの新設のためにコストがかかることから、パスポートチケット代が増加した経緯がある。
学生向けに割引チケットを販売したり、日本初のイベントやショーを企画するなど趣向を凝らして来場者数を回復させようとしている。
S:強み
- 入場者数世界最大の東京ディズニーリゾートを運営
- ディズニーブランドが競争優位性を持つ
- 自己資本比率が高く、財務構成が良好
- 広い土地を所有
- 熱狂的なファンがいる
- 有能なパフォーマーを抱えている
- ネームバリューがある
- テーマパークだけではなく、付随するホテルや飲食店など多数の事業を展開
- 季節に応じたイベントやグッズの展開をいちはやく展開
- テーマに夢がある
W:弱み
- ディズニーブランドへの依存度が高い
- 施設が千葉県浦安市に一極集中しているため、地理的リスクが高い
- 中期的には東京ディズニーリゾート入園者数の大幅な増加が見込めない
- 施設の維持着、メンテナンス費が膨大
- 新規アトラクションの企画から完成までに数年時間を要する
- チケット代の度重なる値上げで来場者数が減少
- アトラクションが120分待ちなど待ち時間が長い
- 敷地が大きいため移動距離が長い
- アスファルトで日影があまりないため、夏季は体感温度が高い
- パレードの場所取りが困難
O:機会
- 通信販売やディズニーストアなど舞浜以外のストアに収益化の機会がある
- 新興国を中心とした外国人観光客の増加が期待できる
- 新しいキャラクターやアトラクションの増加
T:脅威
- 人口減少と少子高齢化により国内市場の縮小が予想される
- USJがアトラクションを刷新し、収益をあげている
- 所得の減少や雇用環境の悪化により、個人消費が低迷
Webサイト:http://www.olc.co.jp/ja/index.html
【化学】花王株式会社
洗剤「アタック」や、特定保健用食品「ヘルシア」で有名な花王。多数のブランドを持ち、海外の方からも品質の高さで人気だ。
ケミカル事業の売上が減少している。研究開発費もかさんでいることや、2011年の東日本大震災で鹿島工場に打撃があってから一時期は鹿島工場の存続も危ぶまれた。
化粧品事業に力を入れており、カネボウ化粧品を買収してから12年がたったいま、ようやくソフィーナ・カネボウの両ブランドの体制作りが完了した。
今後の化粧品事業がキーになる。
S:強み
- 家庭用品・トイレタリー製品の最大手メーカー
- 原材料から一貫生産体制を保有
- 工場を保有
- 物流および販社制度に優位性
- 高いブランド力
- 品質が高い
- 優秀な研究者と最新の研究設備を保有
- 海外観光客に紙おむつや洗剤が人気
- マーケティング、PR力が高い
W:弱み
- 化粧品事業の収益が悪化
- ケミカル事業の売上が急速に減少するなど景気に左右される
- 国内市場は飽和状態
- 段階の世代の退職により、工場の労働者が減っている
- 工場労働者の人員確保が難しい
- 原材料のコストの増加
- 自動運転技術の遅れ
- カーシェアリングなどの分野でのビジネスモデルが確立されていない
O:機会
- アジア市場に成長機会
- 機能性食品・飲料の成長が期待
- カネボウ化粧品の成長の伸びしろがある
T:脅威
- 日本国内は景気低迷の長期化と価格競争の激化から消費者物価の下落が続いている。
- 国内の加速度的な人口減少により日雑市場の収縮が控えている。
Webサイト:https://www.kao.com/jp/
【住宅メーカー】積水ハウス株式会社
住宅メーカートップグループの積水ハウス。耐震性が強いとの評判が高い。
また一般的な住宅よりもリフォームまでの期間が長くもつという利点がある。
しかし、消費税の増税や、一般的な家庭の収入の減少により市場は縮小傾向にある。
また、積水ハウスが扱う商品はオリジナルサイズで制作されているため、修理やメンテナンスに規格品を使用できない場合が多く費用が高くついてしまう。
そのため、積極的に再開発事業に取り組み、売上を確保する動きがある。
S:強み
- 国内トップの住宅メーカー
- ブランド力
- 年間6万棟前後の引き渡し実績
- 全国展開している
- 2階建ての耐震技術が高い
- 軽量鉄骨か木造か選択可能
- 発注から完成までが早い
- 選択肢が多い
- 完成後のメンテナンスが手厚い
- 一般の木造住宅よりもリフォーム時期までのスパンが長い
W:弱み
- 特注サイズなので既製品を利用しにくい
- リフォームが業界相場より高い
- パッケージである程度デザインは決まっている
- 3階建ての耐震性は不得意
- 孫請け会社まで仕事が流れる
- 主力が鉄骨戸建がのため、鋼材価格の変動が業績に与える影響が大きい
- 戸建分譲事業の収益が低下している。
- 営業コストが高い
O:機会
- 現在の耐震基準に満たない住宅が、1,150万戸以上存在
- 2019年の消費税の増税で受注増が見込まれる
- 地方都市部での再開発事業への注力
T:脅威
- 建築確認手続きの厳格化の影響により、新設住宅着工戸数は低水準、しのぎあっている
- 人口減少しているため国内住宅市場の縮小が予測される
- 住宅着工数減少・建築資材資材高騰
Webサイト:http://www.sekisuihouse.co.jp/
【小売業】セブン&アイホールディングス
セブンイレブン、そごう・西武、西友、イトーヨーカドー、セブン銀行など暮らしになじみの深い事業を展開しているセブン&アイホールディングス。
コンビニ・金融業は順調に推移しているが、フードサービスやスーパーでは赤字が継続している。今後の課題は、赤字をストップすることと、どれだけ金融業で伸ばせるかといった点だろう。
S:強み
- 業界トップのコンビニエンス・ストアでセブン-イレブンを運営
- 業態別、地理的に収益の分散が図られている
- 流通業界のトップ企業
- 全国展開
- 金融事業が順調
- セブンイレブンや各所にセブン銀行ATMを設置し手数料が無料
- トレンドをいち早く取り入れている
- アンテナショップの役割をもつ
- 様々なコラボ企画を開催
- ネームバリューがある
W:弱み
- フードサービス事業の赤字が継続
- 百貨店、スーパーの売上が低迷している
- 百貨店の撤退が相次いでいる
- 百貨店の若者離れが進んでいる
- 国内のコンビニ事業の成長率が鈍化
- コンビニの競争激化や営業コスト増
- 百貨店やスーパーの売り場縮小や、取扱い商品などが年々変化している
- 郊外のスーパーの老朽化が進んでおり、リニューアルが間に合っていない
- 人件費の削減により、従業員一人当たりの負担が増加している
O:機会
- 沖縄に出店
- 中国・アジア地域に流通事業の成長機会がある
- 異業種との共同店舗によるコンビニ出店に注力
T:脅威
- 雇用情勢の悪化や所得の減少を受けて、消費者の節約志向が高まっている
- 衣料品、食料品、生活雑貨などの生活必需品における市場価格の低下
- ネット販売の増加傾向
Webサイト:http://www.7andi.com/
【アパレル】ファーストリテイリング株式会社
ユニクロを運営するファーストリテイリング。
圧倒的なコスパの高さと、シンプルなデザインで生活必需品になっている。
しかし、デザイン性のある商品は不得意であり、ファッション性は低い。
そのため、キャラクターや有名なデザイナーなどとのコラボ企画を定期的に行いファッション性のある衣類を販売するなど、上手にPRをしながら行っている。
S:強み
- 商品開発から在庫管理まで高い事業運営能力を保有
- 実質無借金で財務基盤が強固
- プロモーション戦略に長けている
- シンプルなデザインに長けている
- チラシや広告の活用が上手い
- 強固な生産体制
- ファミリー層や、オフィス勤務の女性に定評がある
- カラーバリエーションが多い
- 低価格で1シーズン着られる商品のラインナップ
- 素材の仕入値価格交渉に強い
- 店舗数が多く、国内最大規模の倉庫を保有
W:弱み
- 国内のユニクロ事業が不調
- トレンドや天候の影響を受けやすい
- デザイン性のある商品が不得意
- 無難なデザイン
- ファッションではなく生活必需品
- 売れ残りの大幅な値引き
- 土日祝日は混雑している
- 従業員の労働環境のイメージが悪い
O:機会
- 海外市場に成長機会がある
- 商品企画や販売促進
- コラボ企画
T:脅威
- 国内消費は低迷
- 外資系ファストファッションの国内進出が続いている
- 中国の製造工場の人件費が高騰している
Webサイト:https://www.fastretailing.com/jp/
【空運】全日本空輸株式会社
日本を代表する航空会社の全日本空輸。
国内線や近距離路線に強みを持ち、特に国内線はJALかANAかの2極化している。
パイロットやフライトアテンダントのスキルは高く、サービスが手厚い。しかし、LCCがシェアを拡大していること、燃料費の高騰といった要因で苦戦している。
機内販売で有名ブランドとコラボした限定商品の販売、また身体障碍者やお年寄り、子どもに向けた手厚いフォローで固定の利用者を獲得している。
S:強み
- 国内線およびアジア近距離路線に強み
- 国内線はJALグループとの寡占状態
- 機内販売の質が高く、限定商品がある
- 身体障碍者やお年寄り、子どもへのフォローが手厚い
- スターアライアンスに加盟
- フライトアテンダントの接客スキルが高い
- サービスの質が高い
- パイロットのスキルが高い
W:弱み
- 事業環境の悪化により収益力が低下している
- 国際線では後発エアライン
- 価格が高い
- 燃料費が年々高くなっており、コストがかかる
- 機体の老朽化で入れ替えていかなければならず、その導入コストがかかっている
- パイロット、フライトアテンダントの人手不足
O:機会
- 世界的にオープンスカイの動きが進んでいる
- 羽田空港の再拡張および国際化が実施された
T:脅威
- 空運事業者を取り巻く事業環境は底打ち感がある
- 保護主義的な航空行政を行ってきたため、日本はオープンスカイへの対応が大きく遅れている
- 旅客市場は世界的にLCCがシェアを拡大している
Webサイト:https://www.ana.co.jp/group/
【輸送用機器】トヨタ自動車株式会社
日本を代表するトヨタ自動車。
世界で誰もが知っている自動車メーカーのトヨタ自動車。
圧倒的なブランド力とネームバリューがあり、特にハイブリッド車市場では日本だけでなく世界でも圧倒的な地位がある。
トヨタ自動車からは沢山の車種が販売されているが、車種が豊富すぎて逆に分かりにくく、選びにくい。そういった背景から、現在は車種を絞り始めている。現在は、車種によって販売店を分けているが、数年後にはどのトヨタ系の販売店でも同じ車が購入できるようになる方針になっている。
また、世界での販売に注力をしており、車のカラーバリエーションも海外層を意識した展開となっている。
S:強み
- 生産数が世界トップの自動車メーカー
- 世界3位のブランド力
- 生産効率と製品品質の良さ
- 世界のハイブリッド車市場で圧倒的な地位を確立
- ハイブリッド車の需要が増加
- 財務体質が強固
- 品質、性能が良い
- 世界各国でネームバリューがある
- 経営者の強いリーダーシップ
- 研究開発費の余力がある
W:弱み
- 国内販売の伸び悩みが顕著
- 海外販売の依存が高く、為替変動により利益の安定化が図りにくい
- 車種が多数ありすぎて選びにくい
- アメリカでは大型車が好まれ、国内では小型車が好まれる傾向にある
- 日本とアメリカに生産の多くを依存していること
- AIやIoTの技術開発に遅れをとっている
O:機会
- 資源国・新興国市場が成長
- ガソリン価格の高騰および環境意識の向上から、低燃費車の需要が急拡大している
T:脅威
- 資源国・新興国市場において、小型車・低価格車の競争が本格化
- 車に興味を持つ人が減っている
- 国内外の競合他社では魅力的なデザイン、性能が続々と発表されている。
Webサイト:https://toyota.jp/index.html
まとめ
SWOT分析をしようと思うと、難しく考えてしまいがちだ。上記を見てもらうとわかるように、まずは箇条書きで書き出してみると簡単に行うことができる。SWOT分析は現状分析にすぎない。重要なのは、SWOT分析を会社の経営方針にどのように生かすかだ。
参考サイト:http://www.darecon.com/index.html