みんな弱者だ。ランチェスター戦略で差別化戦略を作ろう
「戦わずして勝つ事を最良とす」とは、孫子の兵法だ。
こんにちわ。ITが苦手な会社を活用できる会社に変える専門家、Web集客先生のやまもと(@heronokenta)です。
「ホカホカのピザを30分で届けます」という独自の戦略で一躍シェアを拡大したドミノ・ピザ。しかし、競合他社も真似して独自性は一気に失われた。
市場に新しいサービスを提供すると、必ず追随してくる者がいる。そして、独自性が失われて血で血を洗うような消耗戦、つまりはダンピング合戦が始まり、市場がある程度成熟してくると、価格は次第に値上がりし始める。
これはどんな業種でも起こっている事だ。
今日は、そんな消耗戦に巻き込まれない戦略の作り方を紹介していこう。
相棒は今日メルマガは一人で毒舌を吐きまくった自称美人アンカーウーマンのカツヨだ。
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今さら聞けないランチェスター戦略って、何?
やまもとー、最近PVが全然上がっていかないわよ。むしろ、下がり気味じゃない。これじゃー、いつになったら海外旅行に行けるかわからないじゃない。
カツヨ
カツヨは、このブログのアフィリエイト収入で海外旅行に行くことを目論んでいる。
そうだねー。検索からの流入が安定しないのと、SNSでシェアされる記事が減ったが事が要因だね。
やまもと
検索からの流入ってSEOってやつでしょ。ちゃんとキーワード選んで書いてるの?
カツヨ
まぁね。でも、結果から見れば上手く出来てないって事だね。SNSも同じ。記事にインパクトというが、驚きというか、何か足りない感じかな。
やまもと
まー、自分で分かってれば良いわ。
で、今日、シェアするランチェスター戦略っていったい何なのよ?
カツヨ
強者の戦略と弱者の戦略
まずはランチェスター戦略について基本的な内容を紹介しよう。
ランチェスター戦略は、第一次世界大戦でイギリス人のエンジニア、F・W・ランチェスターが発見した「ランチェスターの法則」を元に考えられた戦略だ。
詳細は割愛するがランチェスターの法則は、第一法則「一騎打ちの法則」と第二法則「集中効果の法則」によって出来ている。
まず、第一法則「一騎打ちの法則」だが、一対一のような局地的な戦いでは兵力数、武器の優劣によって勝敗が決まるとされて、次の様な式で表される。
攻撃力=兵力数×武器性能
例えば、武器性能が同じレベルの銀河帝国軍10人と同盟軍5人が遭遇した場合、銀河帝国軍が5人生き残る。
次に、第二法則「集中効果の法則」だ。多対多のような戦いでは、兵力の2乗に比例して勝敗が決まるとされていて、次の様な式で表される。
攻撃力=兵力数(2乗)×武器性能
例えば、武器性能が同じレベルの銀河帝国軍10人と同盟軍5人が遭遇した場合、それぞれの攻撃力は次の様になる。
- 銀河帝国軍の攻撃力 = 10の2乗 = 100
- 同盟軍の攻撃力 = 5の2乗 = 25
ざっと計算すると、帝国軍が1名死亡、1名負傷程度だけが、同盟軍は全滅する事になる。
ランチェスター戦略では、第一法則を「弱者の戦略」、第二法則を「強者の戦略」と呼んでいる。
常に兵力で上回る帝国軍を翻弄していたヤン・ウェンリーはまさに弱者の戦略の遂行に徹底していた。一度に多くの戦力を相手にしなくてもよい場所に帝国軍を誘い込み(ラインハルトは敢えて、そんな場所で戦ったのだが)、各個撃破するという作戦をとり続けた。
通常、中小企業が大企業と戦う場合、圧倒的な兵力差がある。そこで、第一法則を適用する戦い方をする事になる。つまり、局地戦だ。
世の中は弱者ばっかり。弱者の中から突き抜けろ!!
ランチェスター戦略では、マーケットシェアにより強者と弱者を分けている。では、一体どれ位のシェアで強者になるかと言えば、「市場シェアが1位」だ。。つまり、2位以下は全て弱者と言うことになる。
そこで、ランチェスター戦略を実行する私たちとしては、前述の通り弱者の戦略を実行することになる。
ランチェスター戦略における弱者の戦略とは次の様なものだ。
- 局地戦:トップ企業が入ってこられないニッチな分野に特化する。
- 一騎打ち:一社独占の地域や顧客を狙っていく。
- 接近戦:トップ企業より密接に顧客と関わる
- 一点集中:トップ企業の苦手な分野に経営資源を集中する
- 陽動作戦:ゲリラ・奇襲戦法を行う
では、少し詳しく見ていくことにしよう。
局地戦
ランチェスター戦略の基本中の基本「地域No.1」戦略はココに該当する。どんなに小さな市場でも良いからNo.1をとることから始める。そこで、実践されるのが「あなたの住む地域でNo.1」になるということだ。
もし、あなたの会社が建築業なら「あなたの住んでる街でNo.1の建築業の会社」になれば良い。建築業の会社と一括りにすると、競合他社もたくさんいる。建築業でも、木造住宅専門とか無垢の木専門とか、2世帯住宅専門とかあなたの会社の商品やサービスに特化してNo.1になってしまえば良い。
実は、調べてみると既にNo.1になっているものは意外とあるモノだ。ポイントは、既存顧客や売上をざっくりと捉えるのではなく、細かく捉えていくこと事だ。
一騎打ち
競合他社が少ない市場を狙っていく。相手が巨大な場合、例えばAmazonのような場合は一騎打ちを挑んでも勝てる見込みはない。相手が弱ければ弱いほど、一騎打ちで勝てる見込みが高くなる。
同業他社でクレームをたくさん出している会社がいれば、その会社の顧客を取りに行くという作戦が考えられる。
接近戦
大企業では出来にくい小回りのきいた対応で、顧客との心の距離を縮めてファンにする。しかし、最近では大手企業はCRMなどを使い、中小企業以上に顧客のフォローをしている。中小企業は腹を据えて対応をしなければならない。顧客にとって、○○と言えばあなたの会社になるように腐心して欲しい。
一点集中
量的優位に立つ為に、経営資源を1点に集中する。量的優位に立つと言うことからも、競合他社に量で負けてはならない。量で負けるなら、別の場所に集中をする必要がある。
何に集中すれば良いかは、ケースバイケースだがスタッフ数、製造ライン数、売り場面積などとにかく競合他社より量で勝つ。
陽動作戦
弱者にとって大手や競合他社のやらない事をするゲリラ戦はとても有効だ。注意しなければならないことは、手の内がバレないようにする事だろう。
ふ~~~ん。世の中、みんな弱者ね。早くそこから突き抜けないと、つまんないわよね。
カツヨ
ランチェスター戦略はダントツNo.1を目指して戦う戦略
ランチェスター戦略には、「勝ち方の基本ルール」というものがあり、これが大原則となっている。この基本ルールは以下の3つだ。
1.ナンバーワン主義
ナンバーワンとは、2位以下の企業に3倍以上の格差をつけて圧倒的な強者になる事だ。上記の地域No.1も2位以下の企業に対して3倍以上の圧倒的な差をつけてから、次のステップに進んでいくことになる。No.1は、それだけで信頼に変わってしまう。
もし、お客さんに「なんで、あんたの会社と付き合う必要があるんだ?」と聞かれたとき、「うちの会社はこの地域でNo.1だからです!!!」と答えることが出来る。これは、とてつもないアドバンテージだ。お客さんは誰でも自分にとって最良のサービスや商品を求めている。その答えが、お客さんの目の前にある状況を作れるわけだ。
2.足下の敵攻撃の原則
戦いの基本は、勝ちやすきに勝つだ。自分より弱い敵をたたいてチカラを蓄えるのは定石だろう。その昔、「信長の野望」や「三国志」でもこの原則は発揮されていた(^^;自分が勝ちやすい相手と戦って勝ち、国を大きくし、天下統一へと向かっていく。
闇雲にトップ企業に戦いを仕掛けず、しっかりチカラを蓄えてからトップ企業に戦いを挑んでいく。
3.一点集中主義
ひとたび戦略目標を決めたら、その戦略に集中することが大事だ。他にも儲かりそうな美味しい話が出てきたら、あっちにフラフラ、こっちにフラフラしていては無駄に時間をつぶすだけになる。時間の浪費は、ビジネスにおいてとてつもないマイナスだ。
そして、これを忘れてはいけない。「戦略とは無駄を削る事」だ。必要の無い物を極限まで削り、1つに集中する。良く言われていることだが、戦力の逐次投入(戦力の小出し)は負け戦の常套だ。最大限の兵力を持って、勝てる戦にはさっさと勝つ。これが大事。
なるほどねー。これがランチェスター戦略ってわけね。
カツヨ
まぁね。第二法則を元にした「強者の戦略」もあるけどトップ企業がとる戦略だし、「弱者の戦略」の反対をすれば良いから今回は割愛するよ。
やまもと
なによー、ケチ
カツヨ
やまもとの視点
様々な経営戦略メソッドがある中で、今日紹介したランチェスター戦略は絶対に覚えておいて欲しい。何しろ、弱者が勝つ為にすべき事がそのまんま示されている。この記事を読んで、何かのヒントになったなら今すぐに行動を開始して欲しい。
このブログでも色々な理論を紹介しているが、理論はあくまでも理論。実践しないと結果は出ない。実践することが全ての始まりになる。あなたの会社にどう実装したら言い変わらない人は、気軽に相談して欲しい(もちろん、有料)。
「戦術は戦略に基づく」という言葉の通り、戦略がなければどんな戦術も意味がなくなる事になる。例えば、ブログを戦略的に捉えるなら、ブログの方向性やテーマが戦略、1つ1つの記事が戦術になる。
ランチェスター戦略は、経営や営業のみならず様々なシーンで応用が可能な幅広い戦略フレームワークだ。くどいようだが、是非、弱者の戦い方を今後の活動に活かして欲しい。
ランチェスター戦略に関する詳しい内容は以下の書籍がとても参考になる。
何よ、えらそうに!!!!
カツヨ