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BCP(事業継続計画)とは?

  
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BCP(事業継続計画)とは?

この記事では、中所企業の経営者が知っておくべきBCP(事業継続計画)について紹介します。

この記事を読むと、次のことがわかります。

この記事で得られるもの
  • BCPとは
  • BCPの意味は
  • BCPの重要性
  • BCPの策定方法

 

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そもそも、BCPとは

最近、BPCという言葉を耳にする経営者の方も多いのではないでしょうか?特に、東日本大震災以降、様々な自然災害などが発生するたびに、ニュースメディアでも取り上げられているように感じます。

BCPとは、Business Continuity Plan(事業継続計画)の略で、いわゆる危機対策のことです。

例えば、この記事を書いている2022年7月時点であれば、コロナ禍、ウクライナ戦争といった世界情勢などにより、事業が危機的状況に陥った場合、どのように対応すれば良いでしょうか?

もっと身近で想像しやすいケースだと、東日本大震災や阪神淡路大震災のような大きな災害が発生した場合、何をどのようにして事業を継続していきますか?

こんなことをいきなり聞かれても、すぐには答えられないと思います。BCPとは、自然災害のような事業継続が困難な状況に陥ったとき、どのように対応するかを事前に準備しておく計画のことです。

 

BCP(事業継続計画)がある場合とない場合の違い

ここで、BCPがある場合とない場合で、何が違うのかを考えてみます。BCPは、事業における重大な危機が発生した場合の対応方法を事前に決めたものです。そのため、BCPがあると災害発生から復旧までの時間が短く済みそうなことは想像できるはず。

例えば、事業所のある場所に地震が発生して、自宅や事業所が倒壊。道路も寸断されて自動車での移動ができない。電車などの交通インフラが使えない。そんな状況に陥った場合、まず何をするべきでしょうか?

恐らくは、自分や家族の命の心配をし、安否確認をすると思います。そして、その後、落ち着いてきたら、仕事の心配をすると思います。

会社まではどうやって行こうか。従業員の安否はどうなのか。お客さんや取引先は無事だろうか?今日、納品の商品は無事発送できるのか?あれ、そもそも事業所は倒壊してないの?

様々な不安が襲いかかってくるハズです。そんな状態、適切な判断をとることは不可能に近いです。

もし、BCPがあればBCPに沿って一つ一つの問題を解消していくことが可能です。特に、災害直後の対応に関して言えば、BCPがある場合とない場合では、対応は天と地ほど変わってきます。

 

BCP(事業継続計画)の作り方

では、どのようにBCPを作れば良いのでしょうか?いきなり、専門家を呼んで作ってもらうという方法もありますが、それでは『絵に描いた餅』のような実際には使えないBCPになってしまう可能性があります。

人は、人から押しつけられたモノより、自分で作ったモノに愛着を持つ生き物です。つまり、BCPもなるべく自分たちの手で作った方が、いざという時に使えるBCPになります。少なくとも、専門家が作ったまま誰にも知られず本棚の隅っこに鎮座するような事態にはならないハズです。

 

BCP(事業継続計画)を作る4つのステップ

では、早速、BCPの作り方を紹介します。BCPを作成するには、4つのステップに分けて作成するのがオススメです。

4つのステップとは、次の4ステップ。

  1. 事前準備
  2. 被害軽減対策
  3. 初動対応
  4. 復旧対応

 

ステップ1.事前準備

まずは、最初のステップ「事前準備」です。実は、この事前準備が重要で、事前準備で想定したことしかBCPでは計画することができません。当たり前と言えば当たり前。

ステップ2~4は、ステップ1の事前準備で想定している問題に対して、対策・対応を決めていきます。

では、どんなことを「事前準備」として想定しておけば良いのでしょうか。何もないと想定のしようもないので、ココでは「4つの経営資源」で想定していくことをオススメします。

4つの経営資源とは、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」です。

この4つについて、災害が発生したときどういう状況が想定されるか考えていきます。

 

ステップ2.被害軽減対策

災害そのものは回避することが出来ません。そのため災害が発生した際、いかに被害を軽減するかを考えるのが、「被害削減対策」です。

例えば、「停電してもスマホが充電できるようにバッテリーを用意しておく」や「情報が収集できるようにラジオを用意しておく」などが考えられます。

この被害軽減対策も、4つの経営資源がどのような状況に陥るかを想定して、事前に対策できることは対策しておきます。

 

「ヒト」の被害軽減対策

災害が発生した場合、どこに避難をしたら良いのかは最も基本的な被害軽減対策です。そのため、最寄りの避難場所の確認は必ずしておくことが重要です。

また、スムーズに避難ができるように通路や扉の周辺には、転倒して通路や扉を塞ぐモノがないように日ごろから注意しておく必要もあります。

さらに、被災してしまったら無理して自宅に帰らないことも被害軽減対策になります。ということは、会社に人数分の食料や水の備蓄も必要となるでしょう。

 

「モノ」の被害軽減対策

モノとは、わかりやすく言えば、建物や機械設備です。

例えば、最近では減ってはきましたが1981年の建築基準法改正前に建てられた建物には、今の耐震基準が適用されていません。そのため地震や火災では被害を受けやすくなっています。

とは言え、いきなり建て替えることも現実的ではありません。そんな時は、専門業者に耐震補強の相談をしてみるのも一つの対策です。

建物が倒壊しなくても、会社に設置している機械設備が壊れると仕事ができなくなるケースも当然発生します。浸水してしまえば、精密機器は使い物にはなりません。もし、川の増水や氾濫の危険性のある地域に建物がある場合、機械設備を1階から2階へ移動させるという方法も被害軽減策になります。

そうそう、最近では複合機も大型になっていて100Kgをこれるような複合機もザラにあります。地震で勢いよく壁に衝突すると、壁を突き抜けてしまうこともあるので、複合機など大型の機械を床に固定するのも忘れないようにして下さい。

 

「カネ」の被害軽減対策

災害で被害が発生しても、お金はかかります。特に固定費(家賃・人件費など)の支払は行わなければいけません。そんな時に役に立つのが「損害保険」「金融資産」「融資」などです。

最近では、クラウドファウンディングという手法でお金を集めることも可能になっていきます。

なんにしても、いち早く正常運転に戻さなければ、災害前と同じような収益を上げることはできません。

 

「情報」の被害軽減対策

現在のビジネスで情報を扱わないということはあり得ません。特に、自社内でサーバを運用している企業にとって、バックアップは死活問題です。災害が発生したとき、サーバ本体は元より、データを被害からどのように守るのかを考えしょう。

ちなみに、以前、ぼくが情報システム部の責任者をしていた会社では、全国に複数の拠点があったので、各拠点に毎日バックアップデータを自動で転送する仕組みを作っていました。

 

ステップ3.初動対応

災害発生時、何はともあれ「従業員」の安否が一番大切です。まずは、人名優先で対策を考えましょう。

特に、緊急時の連絡体制は重要です。どのように安否情報を収集して、会社全体で従業員の安否を把握するのか、仕組みを合わせて考える必要があります。

例えば、小学校のあった緊急連絡網を用意したり、従業員に災害対応マニュアルを持たせたりするのは、すぐにでもできそうですね。

 

ステップ4.復旧対応

初動対応が終わったら、次はいよいよ本格的な復旧になります。

災害により被害を受けた場合、短期間ですべての業務を元通りにするのは不可能です。そのため、何が企業にとって重要かを整理し、限られた経営資源に優先順位をつけて、優先度の高い業務から復旧に集中します。

日ごろから、自分たちの企業にとってどの業務が重要なのかをしっかりと経営者、役員、従業員と共有しておくことが重要になります。

 

【まとめ】BCP(事業継続計画)とは?

2011年の東日本大震災の後、「災害対策/防災訓練」を実施している企業は『安全配慮義務違反に当たらない』という最高裁の確定判決が出ています。逆に、「災害対策/防災訓練」などを実施していない企業は、何らかの形で責任を問われます。

本記事で紹介した「BCP(事業継続計画)」は、有事の際、従業員のみならず経営者・役員を守ることにも直結します。

しかし、いきなり完璧なBCPを作ることはできません。1回作ったら定期的に見なおすことが必要になります。何せ、世界情勢や災害規模はドンドンと変わって行きますからね。

この記事を読んで、BCPに興味を持たれた経営者の方は、まずは自分のできることから始めて下さい。

 

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